2012年8月20日月曜日

朝一番に飛び出して、アルプスの山々を眺めながらトレッキング。ヨーロッパ最高峰の展望台をめざし、ユングフラウヨッホ行きの登山電車に乗りました。

なぜか電車の運転席の横に韓国の国旗がはためいています。韓国の団体専用車? いえいえ中国や日本のツアー客も乗っています。なんでだろう? 

「もしかして韓国人の誰かがアピールのために……? そういえば今日は8月15日だ」
日韓関係のニュースをちらほら耳しているしなあ。そんなことを思いながら、電車に乗り込みました。

私の斜め前に座っている40代後半らしき男の二人連れが韓国人でした。
二人の会話を聞けばむろんわかりますが、黙っていてもまちがいありません。抱えたリュックの肩当に「I love Korea」と書いてあります。

韓国人二人の正面には太ったおばさんの二人組みが座っていました。
陽気な女性たちです。
おばさんの一人が「あなたたち韓国人でしょう」と英語で話しかけました。
「私たちはユナイテッドステーツよ」

すると韓国人の一人が体ごと乗り出して言いました。
「待ってよ、待ってよ。当ててみせますからね。カリフォルニアから来たんでしょう」

「コロラドでーす」

「コロラドかあ、やられたあ」
大げさな身振りをまじえて、しまったという顔をして見せます。
残りの3人は大爆笑です。
たわいもないと言えばそれまでですが、私はやられた、と思いました。

すかさず男はリュックの中から韓紙を貼った箱を取り出しました。
「お二人にプレゼントです。どうぞ!」
ふたを取ると飾りのようなものが入っています。

「アイ シー。クリスマス・オーナメントですね」
「ノーノー。ウエディングのときに使うものです」
「クリスマス・オーナメントでーす」
「ウエディングの飾りでーす」
でまた、ひとしきり盛り上がっていました。

アメリカ人の婦人が話しかけたのが日本人の中高年男子だったら、どうだっただろうと考えてみました。
日本人にも宴会とかで「盛り上げてくれよ」と頼まれれば、上手に場を盛り上げる人はいます。
でもこんな状況で、反射的に見知らぬ人を相手にサービスを始める人は、あまりいないのではないでしょうか。

つねにアピールの機会をうかがっているからこそ、とっさに反応できるような気がします。
それは一種のサービス精神なのでしょうか。

長くなったので、続きはまた今度にします。

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